節税のお話です。
決算を直前に控え、1000万円の利益が出ているとします。
税金を試算すると300万円ですと言われました。
ここで、多くの経営者が『そんなに税金払いたくないから、なんか節税はないですか?』と聞いてきます。
もちろん、立場上できる限りのことはさせていただくのですが、間違っても稼がない資産への支出はやめてください。
利益でてるから土地買おう!というのが一番よろしくないです。
土地を貸して、かなりの賃貸収入が見込めるならいいかもしれませんが、土地は減価しないため経費にはなりません。
ただ単にお金が土地に変わっただけ。
納税は300万円で変更なしです。
事業に使うからパソコン買い換えるとか、デスクを新しくするという話もよく耳にします。
買い替えの時期であればもちろんいいと思います。
でも、そこまで必要ないのに買い替えは・・・。
例えば、パソコン25万円のものを4台買って100万円支出したとします。
全額経費にできたとして、利益が900万円になります。
納税は270万円に。
30万円を減らすために100万円支出したんです!
利益が全部現金回収できているという前提でお話すると
節税前:
1000万円(利益)-300万円(税金)=700万円(現金残高)
節税後:
1000万円(利益)-100万円(パソコン代)-270万円(税金)=630万円(現金残高)
節税目的で支出したのに、現金残高は減少するという不思議な現象に。
経費をつくるにはお金の支出が必要です。
すると現金残高も当然減ります。
今回のパソコンは、全額経費にできるという前提だったので、多少は効果があるのかもしれませんが、これが車や建物のような減価償却資産では話が大きく変わってきます。
下手な節税を考えるより、あるがままの納税をする方がよっぽど現金が残ります。
中小企業はお金が大事!
どんなに赤字でもお金があれば倒産することはありません。
大企業には大企業なりの経営があり、中小企業には中小企業なりの経営があります。
中小企業は持たざる経営を心掛けてください。
建物や車に投資するのは、安定資金が貯まってから考えるべきです。
持たざる経営?安定資金?
そういった疑問を、月次決算でお教えします。