経営計画書には会社のすべてが詰まっている
中小企業を元気にする一番の道具は、経営計画書です。
経営計画書には経営理念・経営方針を書き、会社が進むべき方向も示しています。
経営者が立てた戦略、戦術が正しかったのかどうかをチェックできるのは、経営計画書の中にある、利益計画による計画と実績の差のみです。
経営者のやることはすべて正解ですか?
戦略・戦術が間違っていたのなら認めるべきです。
そして起動修正すればいいんです。
だけど、その間違いに気づくためには進むべき方向が示されていなければ・・・。
経営計画書によって、社長が変わり、会社が変わります。
ひとりでも多くの経営者が、経営計画書を作って欲しいと願っています。
お客様別販売計画の立て方
『どのお客様から、いくらの売上高を稼がなければならないか』を計画するものです。
中小企業は、お客様別に粗利益まで計算できないのが現状なので、一般的には売上高目標だけを計画します。
- 過去2~3期の販売実績をABC分析により重要性の高い順に並べ、実績推移と傾向を見る。当期に必要な売上高をお客様ごとに大雑把に配分する。
- 当期で実際に予想される売上高を記入する。
- 必要売上高と実際の予想との差をどうやって埋めるか、対策を考える。
お客様別の販売計画が決まったら、それを月別に展開して完成です。
※季節変動などを加味するとより現実味を増します。
営業担当は毎月の計画と実績の差に注意を払いますが、経営者は常に累計の計画と実績の差のみに注意していくことが大切です。
経営者にとって累計で目標達成をしていれば、各月はどうでもよいからです。
単位は1,000円単位がおすすめです。
100万円単位だと、月の売上目標が0円になる可能性があるからです。
販売計画を作る
販売目標とする売上高には、現状の商品とお客様の数ではどうしてもたりないケースが多くなります。
この不足額をどうするか?
伸びる会社の社長さんは常にこの部分を考え、計画し、行動しています。
『誰が』『どこで』『何を』売るかを計画するのが販売計画です。
大別すると
- 商品販売計画
- お客様別販売計画
に分けられます。
販売計画を立てるにあたって、事業の形態は大事です。
どんな業種であれ、事業形態は2つかないそうです。(『社長業』産能大出版部より)
- 見込み事業・・・大儲けと大損が背中合わせで、不安定さが特徴の事業
- 受注事業・・・儲からないが、安定していることが特徴の事業
以上の2つ。
販売計画を立てる前に、自分の会社の事業がこの2つのどちらであるかを認識し、その特徴をつかむことが大切です。
利益計画検討表を計画する
利益計画を達成するための補助ツール → → → 利益計画検討表
固定費を一定とした場合に、目標に対して、売上高や粗利益率が増減した場合に経常利益がどのように増減するかシミュレートするものです。
この作業を繰り返すことによって、いかに目標売上を達成することがいかに大切なことなのかがわかります。
予算と実績の差異を知ることは大切です。
人間は目標があると、それに向かって努力する生き物。
会社を経営していくうえでも目標は大事です。
目標を高く見積もった場合と低く見積もった場合でどんな差があるのかを知っておくのも重要です。
必要売上高を計画する
目標粗利益率を設定して、必要売上高を計画します。
粗利益率とは、売上高に占める粗利益の比率をいいます。
設定方法
- 過去2~3期の実績を参考に決める
- 全く新たに目標設定する
計算式
必要売上高 = 粗利益 ÷ 粗利益率
会社によっては商品ごとに粗利益率が異なることがあります。
この場合には商品ごとに粗利益額を決定し、それぞれを、それぞれの粗利益率で割って売上高を計算します。
この数字は単なる目標ではありません。
会社が存続するため、生き残るために必要な数字なのです。
実現可能とか不可能とかを議論することは無用です。
どうやって成し遂げるかにだけ焦点を合わせるのです。
これが利益計画を作成する意義です。
税金を納めたくないから保険や消耗品などで無理やり経費を作って利益を圧縮することは正しい行動でしょうか???
会社、生き残れますか???
生き残るために必要な数字を実現することを優先させましょう!