社員の処遇
経営計画書において、方針書が大切というのは前回書きました。
では、その方針書を書くには、自分の会社の事業構造をしっかり把握する必要があります。
※事業の構図
経営者自らが自社の使命感・経営理念を作成し、それを実現するための未来像を長期事業構想として
- どんな事業をしていくか
- どのくらいの規模にしていくか
- 社員の処遇はどうするか
を書きます。
必ず書かなくてはいけないのが社員の処遇です。
社長の経営戦略や経営方針を実施するのは誰ですか?
社員の未来を約束してあげないで、社員はその方針を実施してくれますか?
社員の処遇はとても重要です。
目標が達成されない理由
- 社長の戦略が間違っていたため、結果が出なかった。
- 社長の戦略を社員が実施しなかったため、結果が出なかった。
この2つです。
人を大切にする経営が、発展するための重要な要素です。
経営方針書
中小企業で伸びる会社と、そうでない会社の違いって何だと思います?
ズバリ!
社員とその家族を大切にしているかしていないか!
です。
以前は景気も良く、お仕事は多くありましたが、現在はそこまでの景気を維持できてません。
そんな中、社員の労働意欲をわかせるのは、この会社で働くことで明るい未来が実現できるかどうかだと思いませんか?
明るい未来を思い描けない会社では、頑張れる気がしません。
経営者のみ裕福な生活を手にするのはそぐわない時代です。
社員の未来、その家族の未来も含めてどんなビジョンなのかを伝えることが、その会社で働いてもらえる一番の原動力になります。
こんな明るい未来を一緒に実現しませんか?
それを伝えるのは経営計画書です。
その中でも経営方針書というのが重要になります。
社員を大切にすれば仕事も頑張ってもらえる。
仕事を頑張ってもらえれば会社も大きくなる。
会社が大きくなれば安定が生まれる。
安定が生まれれば、より多くの還元が社員にできる!
そんなサイクルで運営したいものですね。
数字だけではダメ!
多くの中小企業では経営計画書を作っていません。
作っているところでも、売上計画や販売計画などの数字のみのものが多いです。
『数字目標は仏であって魂ではない。仏を作っても魂を入れないのでは生命を持たない。経営方針が経営計画の魂なのである。社長は自らの経営理念にもとづくわが社の未来像をどのように実現するか、という基本的な行動指針が方針書で、経営計画が本物かニセものかは、社長自らが筆をとった経営方針であるかどうかで決まる』
具体的に経営方針を作成するコツは?
目標をするべき会社の経営計画書を入手し、自社でできるところをパクる!
1からコツコツなんて、時間と労力がかかります。
いいところは真似て、それを進化させていけばいいんです。
経営計画書という響きが難しいものだと思わせますが、できるところをパクるのは誰でもできますよね?
決算書とは?
企業は毎年1回、必ず決算をしなければなりません。
決算とは、企業が一定期間内の経営成績や財政状態をまとめる一連の作業のことをさしています。
企業は決算期に帳簿を締め、決算書を作成します。
年次決算をいわれ、法律で義務づけられています。
税務申告をする際にこの決算書が必要だからです。
ある一定期間における企業の経営成績を記したものです。
一定期間のうちにいくらの収益があり、またその収益をあげるためにいくらの費用を使ったかを書き記しています。
ある一定時点における会社の財政状態を記したものです。
決算時点で会社にどれだけの現金・商品・土地・設備といった財産があり、またそれらの財産を購入するためにどれだけの資金を投下しているのかを書き記したものです。
以上の通り『決算書』とは、極端に申せば税務申告のため・金融機関への融資依頼のために作成されるもので、社長が経営の指標とするためにあるものではないようです。
ですからそこに書き記された内容を社長自身が知らなかったり、意味がわからなかったりという本末転倒が起こり得るのでしょう。
経営計画は会社の未来を社長が中心として作り上げていくものです。
そのためには会社の現在の実態、過去の経緯をしっかり把握しなければなりません。
残念ながらその経営資料となるのは決算書しかないのです。
まずは『決算書』をある程度理解してください。
社長は経営の実践者ですから、学者や会計士など専門的な知識・分析力はいりません。
最低限の知識だけで結構です。
経営は経験の科学である
経営は経験がものをいいます。
どんなに勉強ができ、論理的であっても、経営が上手で、うまく行くかというと必ずしもそうではありません。
経営は成功の経験と同じように、失敗の経験を数多く必要とされるのです。
致命的にならない程度の小さな失敗の経験を、若い頃に持つことは特に重要です。
経験不足では、長く売上を伸ばし、利益を確保することは難しいのです。
しかし、人間は限られた時間の中でしか体験を積むことはできません。
そこで、書に頼り、師に指導を受け、また貴重な経験をした体験者に話を聞くことが非常に大切になります。
それが、失敗体験をしないで経営を間違えない、会社を危うくしない方法なのです。
そんな貴重な体験を聞くことができる場がありますか?
そんな話を聞ける人がいますか?
そういう場や人を探すのも経営なのかもしれません。
倒産しない経営とは
こんな企業経営が会社を潰す条件です!
- 経営者の高慢・経営能力の過信
- 社員教員の不備・欠如
- 事業目的・目標・計画性の欠如
- 業界情報の不足と環境変化への対応不備
- 新製品の欠如・技術開発の遅れ
- 家庭不和・同族経営の弊害
- 公私混同と経営哲学の欠如
- 決断力・実行力の欠如
- 計数管理の不足と勉強不足
- ワンマン・反省心の欠如
これは事業に失敗した経営者・社長の経験から偽らざる本音だそうです。
失敗を知ることも大切とのこと。
倒産しないまでも事業の失敗を別の角度から見ると
- 商品・サービスが時の流れにあわないこと
- ランチェスター法則等の経営の勉強をしてないこと
- お客様志向でないことで信用お失墜してしまうこと
- 競争力が弱いこと。商品に競争力がないため、価格競争をしてしまうこと
- 社長や会社、事業に魅力を感じないため人材が集まらないこと
- 財務体質が弱く、不慮の出来事に対応できないこと
- 社長が数字に弱く、貸借対照表が読めないこと
ドキッ来たら経営計画書を!