社長の目標と社員の目標
利益計画を作成するにあたり、社長が立てた計画とは別に、社員が計画を立てていたとします。
その場合、どちらの計画を優先しますか?という問題。
結論は、社長の計画を優先してください。
前回までに利益計画について記事にしておりましたが、利益計画のスタートはどこでしたか?
利益計画なので利益から計画しましょう!という内容でした。
その利益は『稼がなければいけない利益』なんです。
会社を存続させていくためには、利益を出さなければいけないんです。
逆に言うと、利益が出なければ会社が続かないんです。
その、『稼がなければいけない利益』から逆算して算出した売上高を優先するのは当たり前の事です。
社員の計画の方が社長の計画より上回っている場合には?
その場合は社員の計画を優先してもいいです。
なぜなら、社長の計画を上回っているのであれば、稼がなければいけない利益を必ずクリアできるからです。
そのような会社は社員のモチベーションが非常に高く、かなりレアなケースだと思います。
社員教育が徹底されており、社長の想いが十二分に伝わっている会社でなければ、このような状態にはならないかと思います。
このような状態になった時、社長と経営者の関係がうまく行ってるんだと実感できるかもしれません。
社長の想いは経営計画書で伝えてみてください。
販売計画を作る
利益計画ができたら次は販売計画というのは前回書きました。
具体的には
・商品別販売計画
・得意先別販売計画
・担当者別販売計画
この3つの計画を必要に応じて作りましょうということです。
これらの販売計画を作ることによって、目標が明確になり、実現するためのイメージがしやすくなります。
そのスモールステップを伝えることが大きな目的です。
販売計画での注意は、上記3つを作成する際、どれも同じ数字にたどり着かないといけません。
売上を分解していって、商品別販売計画、得意先別販売計画、担当者別販売計画を作成するものの、商品別の合計が1億円、得意先別の合計が1億2千万円、担当者別の合計が9千万円では辻褄が合っていません。
この合計を一致させることを注意してみてください。
そして、販売計画を作成する最大の目的は比較です!
例えば2月が上記のようになった場合、前期と比較してどうなのか?計画と比較してどうなのか?というのが明確にわかってくると思います。
そこで、売れるものは何か?売れている得意先はどこか?どの営業マンが頑張っているのか?というのが把握できます。
そこで間違っていただきたくないのは、ダメな商品、ダメな得意先、ダメな営業マンを切ると考えるのではなく、売れている商品は?売れている得意先は?売れている営業マンは?というところに集中的に資金を投下するんです!
損切りというのも大事な判断かと思います。
ですが、売れ筋をもっと太くしていくという発想を持ってください。
商品であれば、売れている商品にセットで別の商品をつけたり、関連書品を推薦してみたりなど、売れ筋だからできる手段が生まれてきます。
『売れないもの』より『売れるもの』に人・モノ・金を投入してください!
先程の比較表、おすすめは手書きです!
書くことで気づくことは多々あったりします。
比較表を経営計画書の中に綴じておくと、効率よく比較できます。
利益計画を作ったら、次は
目標利益を設定して、そこから逆算。
そして、年間の計画が出来上がったら、次は販売計画です。
年間の計画ができたという事で、年間の売上高目標も設定できてると思います。
その売上をどのように達成していくのか?
簡単な計算としては1ヵ月いくらなのか。
そして1ヵ月が算出できたら1週間ではいくらなのか?
日販はいくらなのか?
といった感じで細かく設定していくと日々の目標が立てやすいです。
ですが、今回の販売計画は違う視点で作成していただきたいです。
・商品別販売計画
・得意先別販売計画
・担当者別販売計画
必要に応じてですが、この3つで計画を作成していくといいかと思います。
もちろん、不要なものは作成しなくても構いません。
例えば、食パン専門店で食パン1種類のみで経営してます!という会社ですと、商品別という考え方は無いかと思います。
ニーズに合わせて作成するのがおすすめです。
年間の売上設定を分解して、各商品ごと、得意先ごと、担当者ごとに計画してみてください。
先程も書きましたが、目標を細かく設定すると実現しやすくなります。
人間という生き物は、目標があると努力するんです!
利益計画で満足せずに、販売計画も実践してみて下さい。
次回、もうちょっと詳しい内容を記事にします。
利益計画を作ろう③
利益計画は経常利益から設定する!ということは、前回の記事で書かせていただきました。
では、その経常利益はいくらにするのがベストなのか?というのが今回のテーマです。
経常利益の使い道は
①税金(約30%)
②借入金の返済
③貯金
こんな感じになるかと思います。
切っても切り離せないのが税金です。
この税金も考慮して目標経常利益を設定してみてください。
具体的に経常利益の設定をいくらにするか?その方法は4つ。
①借入金返済額
②社員1人あたり利益
③黒字が継続している場合
④赤字が継続している場合
私の立場から提案させていただくのは①が多いです。
借入金の返済は、税引後の利益から捻出しなければいけません。
そのため、1年間に返済予定の金額は、必ず税引後の利益で賄わなければならないのです。
例えば、毎月50万円返済を1事業年度となると、600万円の税引後利益が必要になります。
その場合、600万円を70%(100%-30%)で割り戻すと
600万円 ÷ 70% = 約860万円
経常利益として必要なのは860万円になります。
借りたものは返す!これ、常識です。
そのために稼がなければいけない利益は?という考え方です。
借入金返済額は経費ではありません。
なので、税引後の利益を稼がなければならないのです。
利益計画を作ろう②
利益計画を作成するにあたって、何もない状態で目標を定めろと言われても難しいかと思います。
そこでベースになるのが過去の実績です。
今期がまだ終わっておらず、来期の利益計画を立てようと思ってもベースが無いからと頓挫してしまっている方は、今期の数字を固めてみて下さい。
残り数か月、概算で構わないんです。
9か月経過しているのであれば、今期の数字を9で割ってみて1ヵ月あたりの数字を算出してみるのもいいかと思います。
季節的変動がある場合には、その1ヵ月あたりの数字を1.1倍とか1.2倍にするとかしてみるのもいいかとお思います。
ベースができたら来期の利益計画です。
そこで、やってはいけないこと!それは
売上から計画する事
です。
例えば、今期の売上が1億円だったので、もうちょっと頑張って1.1億円の売上を達成しよう!という考えです。
利益計画と言ってるんですから、利益(経常利益)から作りましょう!
前回の記事で、事業構造の把握が必要ですと言ったのは、ここに役立ってきます。
経常利益を設定したのであれば、その事業構造から逆算していけばいいんです。
この未来会計図をサンプルに計算してみます。
経常利益の設定を1000とします。
固定費は前期とさほど変化しないものなので、3100とします。
すると、1000+3100=4100の粗利益額が逆算できます。
事業構造から粗利益率が62.4%なので、4100÷62.4%=6570という売上が算出されます。
利益を出すための計画なんです!
利益を大前提にしないとダメなんです。
入り口を間違わないようにしてください。
汚い字でした(笑)
利益計画の作成をサポートしております。
利益計画を作ろう①
経営計画書を作りましょうと記事にしてきましたが、まず最初にやるべきは数字を作るという事です。
数字だと使命とか理念とかではないので取り掛かりやすくないですか?
単純に売上をいくらにしたいとか、利益をいくらにしたいかといった内容になります。
ただ、数字だけでは良くならないので、そこに経営者の想い、理念、使命感などを加えていきましょうという流れです。
大前提として、自社の事業構造を把握していますか?ということ。
変動比率何%ですか?
利益率何%ですか?
人件費はいくらですか?
固定費はいくらですか?
などなど。
この大前提をまずはしっかり把握しましょう!
利益計画のはじめの一歩はここからです。
頑張れば手の届くところ!がキーワードになります。
月次決算書で事業構造をご説明させていただいております。
5つの質問⑤
第5の質問
われわれの計画は何か?
シンプルに考えると、これからどういう風に展開していくんですか?ということです。
将来、中期的な未来像。
5年間を1つの目安にするといいかと思います。
今までの質問は言語化。
この質問は言語化+数値化というのが重要なポイントです。
今後どうなりたいのか?という想いを込めて言語化+数値化です。
1.基本
2.事業計画
3.利益計画
4.要員計画
5.設備計画
6.資本金計画
7.生産性計画
8.採算性
詳細はこの項目を考えてみてください。
そして、中期事業計画というものを実際に作成してみてください。
数字が気づかせてくれることは多々あります。
なぜ売上が増えているのに利益が増えてないのか?とか、人件費の成長が思っているより伸びてないとか・・・。
5つの質問をまとめていくと、経営計画書の骨格が出来上がります。
経営計画書というと、とんでもなく分厚いものを作らなければいけないと思われるかもしれませんが、A4用紙2~3枚でも構わないんです。
経営者が共有したいものを綴ることが重要なんです。
当職では製本しておりますが、こうした方が見栄えがいいからという程度です。
形にこだわらず、内容です。
経営計画書作成をサポートさせていただいております。