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値引き戦略

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コロナの影響で、商品が今まで通りに売れないなんて状況ではないでしょうか?

そんな時、値引きをしなければならない状況に陥ることも多々あるかと思います。

ただでさえ苦しいのに、さらに値引きなんて・・・。

今回は値引きについて考えたいと思います。

 

どの会社でも原価率は一定の数値を持っていると思います。

一般的には卸売業の原価率は90%、小売業の原価率は80%などの指標があります。

 

値引きはしていいの?ダメなの?

その判断は粗利益率が高いか低いかによって変わってきます。

 

粗利益率が高い会社(=原価率が低い会社)

売上高  1億円

売上原価 2千万円(20%)

粗利益  8千万円(80%)

固定費  5千万円

経常利益 3千万円(30%)

 

この会社が10%の値引きをした場合

売上高  9千万円

売上原価 2千万円(22%)

粗利益  7千万円(78%)

固定費  5千万円

経常利益 2千万円(20%)

 

経常利益は確保できます。

 

粗利益率が低い会社(=原価率が高い会社)

売上高  1億円

売上原価 7千万円(70%)

粗利益  3千万円(30%)

固定費  2千万円

経常利益 1千万円(30%)

 

この会社が10%の値引きをした場合

売上高  9千万円

売上原価 7千万円(78%)

粗利益  2千万円(22%)

固定費  2千万円

経常利益 0千万円(0%)

 

経常利益が確保できません。

 

固定費が違うからこの比較はおかしいのでは?と思われる方もいるかもしれません。

ですが、固定費÷粗利益額は0.625と0.666なので、粗利益で賄っている固定費の割合はそこまで違わないんです。

ですが、結論には大きな差が生じます。

 

粗利益率が高い会社は値引きの戦略を実行しても大丈夫です。

粗利益率の低い会社は値引き戦略に参戦してはいけません。

では、粗利益率が低い会社はどうすべきか?

ここまで『率』に注目していましたが、粗利益率の低い会社は粗利益額を守るように心がけてください。

値引きをしても、今まで以上に数を売ることができれば、同じだけの粗利益額を稼ぐことができます。

固定費は一定なので、粗利益額をキープできたのであれば、今まで通りの経常利益を稼ぐことができます。

 

『3個セットで990円』なんてセット売りを良く見かけませんか?

これも、値引きをしつつ、販売数を減らさない努力です。

 

単価 × 数量 = 売上

 

単価を下げる戦略が値引きですが、数量という視点からも戦略はあります。

売上がどのように構成されているかをもう一度考え直してみてください。

 

 

月次決算でこのようなお話をさせていただいております。

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