なぜキャッシュフロー計算書を毎月作るのか?
中小企業のほとんどの会社が借金をしています。
ではなぜ会社は借金をするのでしょうか?
売上をあげるため、設備投資をするため、人を採用するため、在庫を増やすためなど、いろいろな理由が考えられます。
しかし、これらのことが目指す最終的な理由はたった1つ『利益を出すため』です。
売上を増やすのも、設備投資をするのも、在庫を増やすのも全て利益を出すためです。
会社は利益を出すために借金をして、その利益の中から借入金を返済していくわけです。
ですから、借入金の本質は利益の前倒しであると定義できます。
もしも
税引後利益-配当金+減価償却費<借入金返済額
ならば、その会社は約定している借入金を返済できなくなります。
現実は多くの会社でこのような状態になっているのですが、銀行さんが不足額を貸してくれているからお金が回っているだけです。
ここまでは長期借入金の話です。
短期借入金(1年以内)では話が違ってきます。
借入金の返済原資は、利益でも減価償却費でもありません。
お金(キャッシュ)です。
損益計算書の税引後利益は、会社に実際に残っているお金の額ではありません。
損益とお金は別物です。
中小企業の経営者は数字に弱い方が多いので、儲かっている、つまり税引後利益が出ていると、会社にお金が残っているように錯覚してしまいます。
例えば、売上が増加して損益計算書上で利益が1000万円増えても、売掛金が800万円、棚卸資産が700万円増加していたら、おかね(キャッシュ)は500万円減少しているのです。
さらに決算2ヵ月後には税金400万円を支払うために、合計で900万円の資金が減少する計算になります。
そこで、『儲けた利益はどこへ消えたか』を把握するため、キャッシュフロー計算書があるのです。
なるさ会計の月次決算書では、オリジナルのキャッシュフロー計算書を作成し、毎月ご報告させていただいております。
お金と利益は一致しない!忘れないでください!!