新型コロナウイルス感染症に関連する情報
新型コロナウイルス感染症の発生により影響を受けた皆さま方に、心よりお見舞い申し上げます。
新型コロナウイルスの発生は、経営環境に日々刻々と大きな影響を与えております。
資金繰り支援をはじめとする支援策、自社で採り得る対策などの情報を提供しますので、参考にしていただけますと幸いです。
1.政府による支援策
2.資金繰り支援策
3.自社でできる資金繰り対策
(生命保険契約による契約者貸付、倒産防止共済による貸付)
4.申告所得税等の申告・納付期限の延長、納税の猶予
5.社会保険料の納付の猶予制度
政府による支援策
新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者に対して、資金繰り、補助金・助成金などの支援があります。
経済産業省
支援策パンフレット『新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ』
一通りまとめられていますので、まずはこちらに目を通されると良いと考えます。
→経済産業省HP https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
新型コロナウイルス感染症関連のページ
→経済産業省HPhttps://www.meti.go.jp/covid-19/index.html
資金繰り支援策
https://www.cgc-tokyo.or.jp/cgc_shingatakoronakinkyuyushinitsuite_2020-3.pdf
日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid_19.html
自社でできる資金繰り対策
1.生命保険契約による契約者貸付
急場を凌ぐ手段として「生命保険の契約者貸付」は非常に使い勝手が良いと思われます。
解約返戻金のある保険ですと、その解約返戻金の7割〜8割の貸付を受けることができます。
金利が3%以上することもあり銀行融資よりは調達コストが高くなりますが、銀行のように借りるための融資審査もなく、申し込みから3営業日以内に着金されるケースが多いようです。
保険を現金化しようとすると解約してしまう方が多いのですが、解約すると死亡保障も無くなりますし、利益も計上されてしまいます。
契約者貸付であれば、死亡保障も継続されますし(万が一、お亡くなりになった場合は保険金と借りてるお金が相殺されます)、もちろん利益も計上されません。
契約者貸付をいくら利用できるか把握されていない方は、保険代理店か保険会社に確認しておくことを是非お勧めします。
※中小企業向け保険が主力のエヌエヌ生命保険は、契約者への貸付金利をゼロ%にしたと発表しました。
また、大同生命保険やソニー生命保険も同様の対応を検討中とのことです。
2.倒産防止共済(経営セーフティ共済)の貸付
生命保険の契約者貸付と同じように倒産防止共済にも貸付制度「一時貸付金」があります。
一時貸付金は、取引先事業者が倒産していなくても、契約者の方が臨時に事業資金を必要とする場合に、解約手当金の95%を上限として借入れできる制度です。
こちらも生命保険契約と同様に、解約すると利益になってしまいますので、まずは貸付制度を利用して資金繰りをつないでおき、その後、赤字の穴埋めをしたい場合にはそこで解約するという二段構えの作戦を採ることもできます。
→中小機構HP https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/about/loan/index.html
申告所得税、贈与税及び消費税(個人)の申告・納付期限の延長
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、次の通り、申告所得税等に関連する期限が延長されています。また、納税が困難な方に対しては税務署への申請により納税が猶予されます。
→国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/kigenencho.htm
1.申告・納付期限の延長
申告所得税
令和2年3月16日(月) → 令和2年4月16日(木) へ延長
贈与税
令和2年3月16日(月) → 令和2年4月16日(木) へ延長
消費税(個人)
令和2年3月31日(火) → 令和2年4月16日(木) へ延長
2.振替納付日の延長(口座振替により納付をされる方)
申告所得税
令和2年4月21日(火) → 令和2年5月15日(金) へ延長
消費税(個人)
令和2年4月23日(木) → 令和2年5月19日(火) へ延長
3.期限が延長される主な手続き
申告・納付期限のほか、期限が延長される主な手続きは次の通りです。
→国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/tetsuzuki.htm
4.納税が困難な方に対する猶予制度
→国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/pdf/0020003-044_02.pdf
社会保険料の納付の猶予制度
新型コロナウイルス感染症の影響により、事業所の経営状況等に影響があり、一時的に厚生年金保険料等を納付することが困難な場合の猶予制度が設けられています。
→日本年金機構HP
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202003/20200304.html
なぜキャッシュフロー計算書を毎月作るのか?
中小企業のほとんどの会社が借金をしています。
ではなぜ会社は借金をするのでしょうか?
売上をあげるため、設備投資をするため、人を採用するため、在庫を増やすためなど、いろいろな理由が考えられます。
しかし、これらのことが目指す最終的な理由はたった1つ『利益を出すため』です。
売上を増やすのも、設備投資をするのも、在庫を増やすのも全て利益を出すためです。
会社は利益を出すために借金をして、その利益の中から借入金を返済していくわけです。
ですから、借入金の本質は利益の前倒しであると定義できます。
もしも
税引後利益-配当金+減価償却費<借入金返済額
ならば、その会社は約定している借入金を返済できなくなります。
現実は多くの会社でこのような状態になっているのですが、銀行さんが不足額を貸してくれているからお金が回っているだけです。
ここまでは長期借入金の話です。
短期借入金(1年以内)では話が違ってきます。
借入金の返済原資は、利益でも減価償却費でもありません。
お金(キャッシュ)です。
損益計算書の税引後利益は、会社に実際に残っているお金の額ではありません。
損益とお金は別物です。
中小企業の経営者は数字に弱い方が多いので、儲かっている、つまり税引後利益が出ていると、会社にお金が残っているように錯覚してしまいます。
例えば、売上が増加して損益計算書上で利益が1000万円増えても、売掛金が800万円、棚卸資産が700万円増加していたら、おかね(キャッシュ)は500万円減少しているのです。
さらに決算2ヵ月後には税金400万円を支払うために、合計で900万円の資金が減少する計算になります。
そこで、『儲けた利益はどこへ消えたか』を把握するため、キャッシュフロー計算書があるのです。
なるさ会計の月次決算書では、オリジナルのキャッシュフロー計算書を作成し、毎月ご報告させていただいております。
お金と利益は一致しない!忘れないでください!!
資金繰り対策
新型コロナウイルスが原因で資金がショートしてしまうかも!という経営者の方は参考にしてみてください。
その①
新型コロナウイルス感染症に係る中小企業者対策を講じます (セーフティネット保証4号の指定) https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200228001/20200228001.html 通常の信用保証協会の保証枠とは別枠で、しかも100%保証協会が保証しますので、金融機関のリスクはゼロで、非常に借りやすい制度です。
その②
お客様の資金繰りについて、急場を凌ぐ手段として「生命保険の契約者貸付」は使い勝手が非常に良いです。
解約返戻金のある保険ですと、その解約返戻金の7割〜8割の貸付を受けることができます。
金利が3%以上することもあり銀行融資よりは調達コストが高くなりますが、銀行のように借りるための融資審査もなく、申し込みから3営業日以内に着金されるケースが多いようです。
保険を現金化しようとすると解約してしまう方が多いですが、解約すると死亡保障も無くなりますし、利益も計上されてしまいます。
契約者貸付であれば、死亡保障も継続されますし(亡くなった場合は保険金と借りてるお金が相殺されます)、もちろん利益も計上されません。
契約者貸付を今いくら利用できるか把握されていない社長さんが多いので、もしもの時の安心材料として保険代理店か保険会社に確認しておくことを是非お勧めしてください。
同じように倒産防止共済にも貸付制度があります。
こちらも解約すると利益になってしまいますが、まずは貸付制度を利用して資金繰りをつなぎ、赤字の穴埋めに使いたければそこで解約するという二段構えの作戦をお勧めしています。
いかに粗利益額を稼ぐか
製造業の場合、労務費と経費を販売費および一般管理費と一緒に固定費に入れ、原価率を80と考えるか、労務費などを抜いて50%と考えるかによって、受注戦略がまったく違ってきます。
製造業の社長さんは製造原価報告書を見て、『これが原価』と思いがちですが、実際には違うのです。
当然ですが、普通、価格は仕入れなどのコストを基準に決めます。
しかし、競争相手との関係によっては、コストを基準に値決めができないことがあります。
理想の値段とは、お客様が許してくれる範囲の最高の値段です。
すなわち、ライバルに負けない最高の値段で受注することです。
受注をライバルにとられたら、粗利益額はゼロです。
労務費や経費を含めた原価率を80%としましょう。
ライバルが25%値引きしてきたら、原価以下の価格になり、赤字になるから受注しないという判断になります。
しかし、労務費や経費は固定費と考え、実質的な原価率が50%と考えたら、25%値引きをしてもまだ25%の粗利益があるから、受注するべきと判断できます。
正しい戦略は、実質的な粗利益額を稼ぐことです。
固定費は常にかかるのですから、粗利益額をより多く稼ぐことが大事です。
日商簿記2級以上を勉強されたことがある方は、直接原価計算を思い出すとイメージしやすいです!
変動費は?固定費は?という内容で、固定費をどう考えるかによって戦略が変わってくるのです。
粗利益率の高低によって打つ手は変わってくる
世の中には粗利益率の高い業種と低い業種があります。
会計事務所は粗利益率が100%、美容業で95%、飲食業で60~70%、中古車販売業は66%、小売業は30%ぐらい、卸売業は10%ぐらいと様々ですが、業種によって粗利益率はほぼ決まっています。
製造業や建設業は、製造原価の中から労務費と経費を抜いた材料費と外注加工費のみを変動費とします。
労務費と経費は、販売費および一般管理費と一緒に固定費とします。
製造業は、一般的な損益計算書の売上高総利益率が20%でも、この定義の粗利益率にすると50%くらいになることがよくあります。
未来会計図で、なぜこのように粗利益率を表現するようにしているかというと、儲ける方法をわかりやすくするためです。
戦略とは
- 商品、サービスを時代の流れによって変えること
- 順番
と定義し、この場合は順番のことです。
どこから先に手をつけるかということです。
粗利益率の高い業種では、まず最初に商品数・顧客数の戦略を考えるべきです。
粗利益率の低い業種では、価格・単価の戦略を考えるべきです。
自分の会社の業種の粗利益率が高ければ、客数を増やすことが儲けに直結します。
粗利益率が低いのであれば、付加価値の高い商品の販売や仕入れ値を下げるなどの工夫をして、客単価をまず上げるのが利益を確保するためには大切になるわけです。
どこに手を打てば利益が出るのか?
まず最初に利益を定義します。
利益とは社員とその家族を守るためのコストであり、事業存続のためのコストです。
必要なコストですから、必ず利益を出さなければなりません。
→税金を払いたくないから経費を作って利益を出さないという考えは、会社が成長しない(大きくならない)ため、社員を守れません。
利益は全社員の努力の結果といえます。
なので、社員が納得できる定義をしています。
そこで、月次決算においては未来会計図というものを用いて、『どこに手を打てば利益が出るか』を全社員がわかるようにして、その達成に向けて努力できるようにしております。(損益計算書ではわかりにくいので)
売上は客単価×客数の2つの要素に分けます。
売上原価には変動費(仕入、材料費、外注費)だけしか入れません。
売上高-変動費=粗利益額
この式から変動比率と粗利益率を計算します。
粗利益率がとても大事です!
月次決算書
とある地方銀行さんの行員向けの勉強会で講師の方が
『皆様の取引先のうち何割ぐらいが月次試算表を作っていますか?』
と質問したところ、半分くらいとういう答えが大半でした。
多くの中小企業経営者は、月次試算表も作らずに経営をしているわけです。
これは、羅針盤を持たずに航海するようなものです。
自分たちが1カ月間、一生懸命働いた結果を1日でもはやく知りたいとは思わないのでしょうか?
その数字を社員とともに共有し、次に打つ手の指標としたいと思わないのでしょうか?
しかし、一般的な月次試算表は、決算のための数字をまとめるもので、残念ながら中小企業の経営に役立つようには作られていません。
中小企業の経営に役立つように工夫し、作ったのが、当事務所の月次決算書です。
この月次決算書には2つの目的があります。
- 中小企業の全社員にお金の儲け方を理解してもらうこと。
- 社長、役員、幹部にお金の残し方を理解してもらうこと。
月次決算書の記事では、その内容を説明していきます。